vol6

これからも、がんばれ、藍!

文/Michael Seaborn
(通称ミック)

宮里藍をとり囲むメディアの多さにはいつもビックリさせられました。
彼女の活躍を追いかけて、たくさんの日本メディアが世界中を駆け回っていたのですから。
日本女子ツアーのスーパースターが、日本メディアを引き連れてLPGAに参戦したことは、LPGAに大きな衝撃を与えたと思います。ただ、その中心にいた宮里藍本人は、「スーパースター」感を一切出さない、誰とも親しみを持って接する、ごく普通の女の子でした。

私が初めて会った時にはすでにたくさんの注目を浴びていた藍だったが、長年プレーしていたかのようにうまくメディアをコントロールしているようだった。とても落ち着きがあり、大人っぽく、そしてプロフェッショナルな対応ですべてをこなしていた印象が強い。そのプロとしての姿勢は素晴らしかった。


うまくいっている選手とキャディの関係のカギは、相性の良さに尽きると思います。
初めて藍のキャディを務めたとき、藍が知っている英語は「スライス」「フック」等の基本的なゴルフ単語だけだったので、最初の頃のコミュニケーションのほとんどがヤーデージブックを見ながら確認を取ったり、風を読むのも、グリーンのラインを読むのも指さしなどの私たちなりの手話を使いながらという感じでした。言葉の壁はあったものの、藍と私は最初からウマが合い、考える言語はちがっていても、コース攻略においては同じように考えていたと思います。
その後たちまち藍の英語が上達すると、その相性の良さがより顕著に表れ、だからこそここまで長いパートナーシップが築けてこられたのだと思います。

藍は将来のビジョンと強い信念を持ってさえいれば、若くてもLPGAでプレーし、成功できるということを証明しました。藍は日本女子ツアーの若い選手たちの希望の光となったのです。彼女なら次のステージでも自分らしく、強い信念を持って必ず成功するはず!
これからも、がんばれ、藍!

Michael Seaborn (通称ミック)

カリー・ウェブ等海外有力選手のキャディを歴任して2006年から宮里藍の専属キャディとなる。
2010年には「キャディ・オブ・ザ・イヤー」に選出される等、宮里藍とは最高のコンビであった。