NEW ゼロ・スパイク バイター ツアー 開発者が語る「ANOTHER STORY」ソフトスパイクを超えるスパイクレスを目指して NEW ゼロ・スパイク バイター ツアー 開発者が語る「ANOTHER STORY」ソフトスパイクを超えるスパイクレスを目指して

VOL.02 SOLE DESIGN [ソールデザイン]

グリップ力をさらに高めるため
ソール前足部に楕円形の溝を配置

さらなるグリップ力の向上のため、目を付けたのはブロックの高さだけではなかった。実物を見てもらうと一目瞭然。前足部の中央部が大きく削られ、スペース(溝)がぽっかりと開いたようなデザインに仕上がっている。

一見すると、「溝があるよりも、ブロックを敷き詰めた方がグリップ力は上がるのでは?」と思ってしまうかもしれないが、ここにもブリヂストンタイヤのノウハウが応用されている。

「湿地や岩場、砂利の上など、オフロードに特化した『マッドテレーン』というタイヤがあります。大きな特徴は、間隔を空けてブロックを配置していること。溝とブロック割合は、5:5から4:6程度。ブロックのスペースをあえて空けることで、岩をつかんだり、泥をかきわけやすくなるのです」(佐橋氏)

このテクノロジーをゴルフシューズに応用したことで、ブロックが芝に食い込みやすくなり、さらにグリップ力を高めることができたそうだ。

ブリヂストン製 マッドテレーンタイヤ

ところで、4.2㎜から6.0㎜にブロックを高くし、ソール前足部の真ん中を削ってグリップ力が高くなったが、「快適性」は損なわれないのだろうか?

「確かに、立っている時や歩いている時だけを考えれば、ブロックを低くした方が安定感は上がるし、ソール全面にブロックがあった方が快適性は上がります。しかし、それではスイングの安定感に欠けてしまう。6.0㎜というブロックの高さとソール前足部スペースの広さ、深さは、どんなシーンでもグリップ力と快適性が得られるように考え抜いたデザインなんです」(佐橋氏)

スイング時の安定性を高める工夫は、アウトソールだけでなく、インソールにも施されている。前モデルは一種類の素材でつくられていたが、ニューモデルは硬度の異なる2つの素材を採用。足裏全体には適度に軟らかいポリウレタン素材を用い、土踏まずから踵部にかけては硬めにすることで、足の形状がキープされ、スイング時の横ブレが抑制されるという。

もう一点、見た目もさらにブラッシュアップされていることも見逃せないポイントだ。ラスト(木型)に手を加えて甲側を少し削り、よりシャープでスタイリッシュなフォルムに仕上げているのだ。好評だった前モデルを上回るグリップ力、快適性、そして美しさを実現したNEW「ゼロ・スパイク バイター ツアー」。ブリヂストンの“底力”をぜひ体感していただきたい。