NEW ゼロ・スパイク バイター ツアー 開発者が語る「ANOTHER STORY」ソフトスパイクを超えるスパイクレスを目指して NEW ゼロ・スパイク バイター ツアー 開発者が語る「ANOTHER STORY」ソフトスパイクを超えるスパイクレスを目指して

VOL.01 TECHNOLOGY [テクノロジー]

ブリヂストンタイヤの世界最高峰
テクノロジーをゴルフシューズに活用

ブリヂストンのタイヤトレッドパタンデザインチームといえば、世界トップクラスのテクノロジーを持つ “接地面のスペシャリスト”だ。そんな彼らが本格的にスパイクレスシューズのアウトソール開発に参加したのは、2014年発売の初代「ゼロ・スパイク バイター」からだった。

「地面に接するモノを開発するという意味では、タイヤとゴルフシューズのアウトソールは同じ。ですから、タイヤ開発の経験やノウハウを活かせば、歴代『ゼロ・スパイク バイター』を凌ぐグリップ力を実現できると考えていました」と語るのは、前モデルからアウトソール開発を担当している株式会社ブリヂストンの佐橋耕平氏だ。

実際、前モデルはオフロードを走るモトクロスバイクのタイヤのトレッド(溝)パタンをベースにしたという。
「開発がスタートすると、スパイクレスシューズは、タイヤと同じく緻密な設計が必要だと分かりました。例えば、タイヤの場合車に装着時の外側と内側で役割は異なりますが、ゴルフシューズでもスイング時にツマ先側と踵(かかと)側にかかる圧が異なるなど、部位ごとに専用設計する必要があったのです」(佐橋氏)

開発チームは、ブリヂストンタイヤの技術・ノウハウを活かしながら、ゴルフスイングに最適なソールブロックの形状、間隔などを研究し、前モデルを完成させた。当初のコンセプト通り、シリーズ史上最高のグリップ力を実現したが、佐橋氏らは「まだまだグリップ力を高められる!」と考えたそうだ。そんな想いからニューモデルの開発はスタートした。

「前モデルをベースにしながらも、ブロックの形状や高さ、大きさ、密度をゼロベースで見直し、アウトソールを想定したラバーシートを何パターンも試作しました。その結果、スイング時のグリップ力が最も上がったのが、今まで4.2㎜に設定していたブロックの突起を6.0㎜に高くすることだったのです」(佐橋氏)

一般的な歩行の場合、ブロックが2~3㎜地面に食い込めば、十分なグリップ力が発揮される。そのため、4.2㎜の高さがあれば十分だそうだ。しかし、ゴルフは状況によって、ラフや水分を多く含んだ芝の上など、やわらかいライでスイングするケースもある。そんな時、4.2㎜では安定感が欠けるシチュエーションがあるというのだ。そこで、ブロックの高さを新たに6.0㎜に設定。より深くブロックが地面に突き刺さるよう設計し直したことで、より高いグリップ力を獲得できたというわけだ。

VOL.02に続く...