“ディープ”とは
より手に伝わるショートゲームの操作性、
ボールの“乗り感”だった

ニュー「TOUR B X/XS」が発売され、その性能が脚光を浴びている。前モデルはブライソン・デシャンボーのPGAツアー3勝ほか日本男子ツアーでも多くの勝利に貢献、とくに圧巻は日本女子ツアー2020-2021シーズンを52戦24勝という圧倒的勝率でパフォーマンスを実証。使用プレーヤーたちは“完璧”と称した。残酷なのは新たな進化を歩むべく扉を開けることだ。“完璧”と言われたモデルは、簡単にその糸口は見つからない。

「世界ナンバーワンゴルファー、タイガー・ウッズは前モデルの『TOUR B XS』の弾道、スピン性能など“完璧”だと称してくれました。ただ彼が唯一リクエストしてくれたのはショートゲームにもっとディープさが欲しい、ということ。タイガーはウェッジショットでほのかに感じるクリッキーな音（高い音）と『乗り感』を改善したかったようです」。

タイガーが言う“ディープさ”とは何か、ブリヂストンはそこに進化の糸口を見出せた。日米のプロともさらなるコミュニケーションを重ね、それはウェッジショットの操作感の向上である結論に辿り着く。トッププレーヤーたちのフィーリングはウェッジのフェースとボールの接触時間の中でフェースがボールを回転させている時間の長さが操作感の向上とリンクしている。つまりボールの“乗り感”がニュー「TOUR B X/XS」が辿るべき進化の道標となった。

「乗り感」とは

アプローチショットで「乗り感」を演出するのは、最外層のウレタンカバーの影響が大きい。ブリヂストンの開発チームは、ウレタンカバーに新たな衝撃吸収材採用することでスピン性能、打音、耐久性に徹底的にこだわった。

「衝撃吸収材は数ありますが、ウレタン素材との相性次第では表面の耐久性が失われます。従来モデルで初速を抑えるために採用した既存の衝撃吸収材に加え、ベストと導き出した新規衝撃吸収材をブレンド。耐久性や打音が硬く高い音がしないように注意しながら、カバーの反発ダウンに成功しました」。

ニュー「TOUR B X/XS」は、選手が要望する“乗り感”を見事に実現。ウェッジのフェース面によく食いつくためプレーヤーの感覚としてボールの飛び感が若干低めになるスピン性能と操作性が得られた。ツアー系ボールを日頃から愛用するゴルファーなら、ショートゲームでのその違いが実感でき、さらなる精度アップが期待できる。

「従来モデルで定評だった飛距離性能を落とさず、ショートゲーム性能が向上できたニュー『TOUR B X/XS』のパフォーマンスはさらに盤石となったと自信を持っています」。

ボールの飛距離とスピンは相反する性能、常に対になる開発が求められる。気になる飛距離性能は次回、「TOUR B X/XS」を使用するツアープレーヤーの言葉を聞きながらレポートしたい。