ボールフィッティング

ブリヂストンの考えるフィッティング理論であなたにピッタリのボールを見つけよう!

ALBA.netで紹介された当社ボールフィッティングの様子をお届けします。

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ボールの違いで、ドライバー飛距離が最大30ヤード以上も変わった! ブリヂストンボールフィッティング (2)

text by Kazuhiro Koyama/photo by Yasufumi Sakagami

2019年04月19日 掲載

ボールの違いで飛距離は大きく変わった!

前回の記事では、ブリヂストンのボールフィッティングイベントのうち、最初の座学と施設見学について紹介した。それが終われば、いよいよ、実際にボール試打を行い、フィッティングが始まる。

ボール試打では、弾道計測器トラックマンを使って、飛距離はもちろんのこと、飛びの3要素と言われる「ボール初速」、「スピン量」、「打ち出し角」を精密に測定する。もちろん、ツアープロもフィッティングに訪れるフェアウェイが380ヤードという広大なドライビングレンジを使うので、実際に弾道を目視できるのも嬉しい。

参加者たちが最も気になるのは、やはりドライバーの飛距離だろう。どんなレベルであっても、現在の飛距離に関わらず、ほとんどのゴルファーがもっと飛ばしたいという願望を強く持っている。それは、飛ばし屋であっても変わらない、ゴルファーたちの大きな夢だ。

ところが、飛ばしたいという気持ちがあるわりに、ボールには無頓着なゴルファーが多い。クラブには関心があり、ショップや試打会などで打ち比べてみたりするが、ことボールに関しては比較する機会も少なく、どれほどの違いがあるかも、あまり認知されていない。

そこで今回取材した参加者が、ボールの違いでどのくらいの飛距離差が出たか紹介しよう。ボールはブリヂストンの『TOUR B X』、『TOUR B XS』、『TOUR B JGR』、『PHYZ』の4種類だ。

【ケース1】50代男性 Nさん ヘッドスピード39m/s

【ケース2】50代男性 Iさん ヘッドスピード42m/s

【ケース3】30代女性 Tさん ヘッドスピード33m/s

取材当日の参加者18人のうち、典型的なケースを3例あげてみた。どのゴルファーもボールだけを変えて、決して小さくない飛距離差が生まれている。他の参加者も大半が、5〜15ヤードも飛距離アップしていた。予想以上にボールの種類による飛距離差は大きいのだ。

大きな飛距離差を生んだ、ボール性能の違いとは?

ほとんどの参加者が、ボールを変えただけで、決して小さくない飛距離の差が生まれている。つまり、ドライバーをもっと飛ばしたいなら、一番飛ぶボールを選ぶのが近道だということだ。

これらの飛距離の違いがなぜ起きるのだろうか。

それは二つの大きな要因がある。ひとつは「ボール初速」の差だ。現代のゴルフボールは、素材・製法とも吟味され、ルール最大限の初速性能を持っているが、それでも各モデルによって性能差はある。

特に、より効率よく「ボール初速」を得るには、インパクト時に適切にボールが潰れる必要がある。原則として、コアが硬いほうが初速は出やすいのだが、ヘッドスピードが遅いゴルファーだと、ボールを潰しきれず十分なエネルギーが生まれないケースがある。逆にハードヒッターは軟らかいコアだと潰しすぎて、エネルギーをロスしてしまう。ヘッドスピードの差によって、適正な潰れを得られるボールは変わるので、それが「ボール初速」の差になって表れるのだ。

もうひとつ、さらに大きな要因になるのが、「スピン量」だ。前回でも紹介したように、同じボール初速であっても「スピン量」の違いだけで、20ヤード以上の飛距離差を生む。「スピン量」は少なければいいというものではなく、あくまでも適正にするのがポイントだ。一般的には、2000〜2500回転/分が飛距離と安定感をもたらす適正なバックスピン量の目安とされている。

ドライバーの「スピン量」は、インパクトでのボールの潰れ具合に大きく影響される。ボールがしっかりと潰れると「スピン量」は減るので、より低スピンにしたければ、コアの軟らかいボールを使えばいいわけだ。

ところが、コアが軟らかすぎると、今度は「ボール初速」をロスしてしまう。あちらが立てば、こちらが立たずというわけだ。つまり最適解は、より速い「ボール初速」と適正な「スピン量」を得られるボールを選ぶことだ。実際に計測することで、適正にボールが潰れて、より良い弾道を生むボールを選ぶことが出来る。

※さらに「打ち出し角」にも変化が表れるので、その点も留意したい。

ボール性能が想定通りに発揮されないことも?

ここまでは、ドライバーの飛距離を伸ばすボール選びの基本といえるだろう。ゴルファーは、「どのボールが一番飛ぶか?」が気になるところだが、その正解は、自分のスピン量とヘッドスピードに合ったボールが一番飛ぶということだ。逆に言えば、飛ぶと評判のボールを使っても、人によっては飛距離を大きくロスする可能性もある。

ちなみに参加者の中では、ボールの違いだけで33.8ヤードの飛距離アップを生んだゴルファーも存在した。「ボール初速」がアップし、「スピン量」が大幅に軽減したことの合わせ技だ。一方、どのボールもほぼ均等に飛び、3ヤード程度の差しか生まれないケースもあった。そんな人は、アプローチ・パターのフィーリングでボールを選ぶのもいいだろう。

このボールはより低スピンになる、といった具合にカタログ上の性能差は明確だが、実際にゴルファーが打つと、必ずしも計算どおりにはいかない事も少なくなかった。その人のスイングやクラブなどによって、結果が理屈通りにはいかないのだ。

だからこそ、これだけの環境で、ボールを実打して比較できるのは、非常に貴重な体験と言えるだろう。ボールの性能は、実際に打ってみないと分からないことも多いのだ。次回はアイアンとショートゲームについて、フォーカスしてみたい。

Vol.3へ続く

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