
| 大ちゃんおめでとう! いやぁ本当に嬉しかったなぁ。大ちゃんとはJCB仙台で谷原秀人選手の、マンダムルシードで増田伸洋選手のキャディをし、ともに優勝という輝かしい成績を残したキャディの進藤大典(ダイスケ)のことです。 彼とはまだ大ちゃんが学生の時代からの友達で、試合会場で会うたび話す仲。そんな彼が宮里優作プロの専属を離れ、急遽今年からフリーになることを聞き、最初は驚きました。この稼業がいかに大変か、ましてやフリーでやる事がいかにリスクを負うことかを僕はイヤというほど知っていますから。心配だったのはプロキャディという華やかな名前と裏腹に、現実は非常に厳しい仕事だという事を、大ちゃん本人がどれだけ明確に理解しているか? という事でした。 僕はキャディっていう仕事は10のうち9が苦労で1が幸せだと思っています。じゃあ、なんでたった1のために9の苦労を耐えられるのか? それは1の喜びが9の苦労を吹き飛ばすくらい大きな幸せだからです。 いくら自分に自信があったって結果が全てだし、“これをしていれば大丈夫”っていう教科書なんてない。いつも危機感を感じて自分で工夫して、日々進歩していかなくてはなりません。休む事も許されず、たえず選手のために自分を費やす。それが出来て初めてスタートラインじゃないか、って思います。 日本でフリーキャディをしている人は増えてきています。人が増えれば秩序が乱れるっていうのは世の常。残念ながらキャディの世界でもそんな噂を耳にします。プロキャディという肩書きに勘違いをするのか、選手と肩を並べようとするんですよね。 アメリカでは高校生の子供がいるキャディもいれば、もうすぐ60歳になるおっちゃんキャディもいます。それぞれにプライドを持って働いていますが、誰一人として選手と肩を並べようとか、俺はプロのキャディだから偉いんだ、なんて思っている人間はいません。むしろ皆、すごく謙虚。自分の息子より若い選手を尊敬し、支えているのです。 人間つい実力を勘違いしがちですけど、実力とは実についた力。さかのぼれば自分は何もない枯れ木だったかもしれない、それにさまざまな人たちが実をつけてくれたから今の自分が居る。今回大ちゃんが勝てたのも、選手が頑張ってくれたから、大ちゃんにこの仕事を導いてくれた人がいたから、大ちゃんにゴルフを出会わせてくれた親があったから。そしてそのチャンスを逃さずつかみ努力をしたらから。それを忘れてはいけないと思います。 確かに自分の仕事にプライドを持つ事は大切。自分を肯定する事も大事。ただ、一人じゃ何も出来ない事を強く胸に抱くべきでしょう。 常に感謝の気持ちを忘れず、人に優しくすれば人から優しくされるものです。そのことを心から理解できるようになったとき、初めて本当のプロになれるんでしょうね。まだ自分はアマチュアだって実感します。恥ずかしながら、どうしても自分大好きですから。 大ちゃんはもう立派なプロ。彼はこの何週間で大きな成長をしていると思います。これからもこの調子で頑張って下さい。僕も負けずに頑張りますよ! |
| 提供:スポマガGOLF |
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杉澤伸章プロフィール 愛知県蒲郡市出身。高校球児からプロゴルファーを目指し22歳のとき愛鷹シックスハンドレッドの研修生となる。プロへの道は早々に断念したが、同コース所属の横田真一に誘われプロキャディに。国内ツアーで様々なプロのキャディを経験した後、02年から丸山茂樹の専属キャディ。03年クライスラー・クラシック・オブ・グリーンズボロで丸山がツアー3勝目を挙げたときバッグを担いでいた。愛称『スギちゃん』 |
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