
| ご心配をおかけしましたが、最近僕もだいぶ落ち着いてきました。やっぱり成績が出ると“よぉ〜し!”という気持ちが湧き、悩んでばかりはいられないという心境になります。本来なら成績が悪いときもこうでなきゃいけないんでしょうが…修行が足りませんね。 ところで話は変わりますが、10月の初めに行われたWGC-アメリカンエキスプレス選手権、ご覧になりましたか? タイガーとデイリーのプレーオフ。最終日、トップスタートだった僕らは早めにホテルに戻り、テレビを見始めた途端、2人の戦いに夢中になりシャワーも浴びず最後まで見入ってしまいました。 結果はデイリーのミスパットで幕を閉じたのですが、その日の彼は、土壇場の17番でも同じように短いパットを外しています。同じミスが2回! 誰もがため息をついたことでしょう。「もっと見たかった!」と思ったのは、僕だけではないはずです。 それは“生涯の中でもっともドライバーが真っ直ぐ飛んでいる”とまで言い切っていた絶好調のデイリーと、決して本調子ではないタイガーの対決。それなのになぜタイガーが勝てたのか…? 試合を見終った丸山さんがポツリと言いました。「ルーティンの違いだな」。そうです、デイリーのパットには“ルーティン(ショットを打つ前の決まった手順)がない”という致命的な欠点があったのです。 デイリーといえば豪快なイメージがありますが、そんな彼でさえ、あの状況ではいつもの彼ではいられなかった。僕でもわかるくらい、パターのときに手が動かなくなっていました。これは緊張とはちょっと違う状態なんです。テンションが上がり過ぎ、自分が自分でいられず浮き足立ってしまうんですね。その状態で“いつも通り体を動かせ”、というのはかなり辛い。そんな中、一流と呼ばれる選手たちは毎回同じルーティンを行うことで自分を落ち着かせているのです。 これはゴルフ以外でも同じじゃないでしょうか? 人間緊張すると、ついいつもと違うことをしてしまうもの。が、いつもしていることを手順通りこなすと心が落ち着いてスムーズでしょ? 偉そうなことは言えませんが、いわゆる普段通りの自分を常日頃から訓練によって習慣づければ、いかなる場所でも自分らしくいられるんじゃないでしょうか? タイガーとデイリーの歴史的デッドヒートが僕らに教えてくれたのはこれでした。皆さんも、自分なりのルーティンを考えてみてはいかがですか? |
| 提供:スポマガGOLF |
|
杉澤伸章プロフィール 愛知県蒲郡市出身。高校球児からプロゴルファーを目指し22歳のとき愛鷹シックスハンドレッドの研修生となる。プロへの道は早々に断念したが、同コース所属の横田真一に誘われプロキャディに。国内ツアーで様々なプロのキャディを経験した後、02年から丸山茂樹の専属キャディ。03年クライスラー・クラシック・オブ・グリーンズボロで丸山がツアー3勝目を挙げたときバッグを担いでいた。愛称『スギちゃん』 |
| |INDEX| |
|
|