杉ちゃんの「目指せ!No.1キャディ」

自分が自分であるために、緊張したら息を吐こう!
 今、僕は丸山さんのキャディ4年目にして大きな壁にぶちあたっています。

 仕事にも慣れ「このパターンはこうだろう」「こんな時はこうだろう」と分かってきたことが、逆に緊張感を薄れさせてしまったのかもしれません。心の緩みは次第に結果に表れ始めました。僕のせいで貴重な1ストロークを損させることが起こり、丸山さんの逆鱗に触れる回数が増えたのです。

 勝負の世界ですから、プロは結果を出さなくちゃいけない。結果を出すためにプレーヤーがコースで苦しんでいる時、唯一の味方であるキャディが、力になるのは当たり前。なのに何の気の利いた言葉も言えず、ただオロオロするばかりの僕は、やることなすことすべて裏目裏目に出てしまう辛い現実を味わっています。

 怒られるたびに、正直「なぜ自分だけがこんな目に遭わなきゃいけないんだ」とふて腐れたこともありました。楽になるためには、いっそキャディをクビにしてもらった方がいいのでは? と悩んだこともありました。

 でもそれは卑怯者の言うことですね。考えてみれば、辛いのは自分だけじゃないんです。誰より苦しいのは、やっぱ丸山さんじゃないですか。人一倍背負うものが多くて、考えることが多くて、必死で戦っているのがプロなんです。それに比べたら僕の苦しみなんて、大したことはない。

 相手の立場に立ってものを考えるって大事ですよね。全米オープンを戦っている時にそれを痛感しました。「今、一番苦しいのは丸山さん」と思えたら、自ずと良い案が浮かんでくる、良いアドバイスもできる…はずなんです。

 人間、それぞれの立場で皆必死に戦っているというのが最近わかってきました。単純ですけど、苦しんでいるのは自分だけじゃないと気づいた瞬間、今までノドに刺さっていた骨がスッと取れていきました。

 コースに出たらプロとキャディ、2人しかいない。まずは丸山さんの苦しみを理解できるようになりたい。冷静に決断し、それを実行する勇気を持ちたい!

 世の中にはきっと僕と同じようなスランプに陥っている人が大勢居るはずです。でも自分だけが辛いと思わないで下さい。少なくとも僕は、あなたたちの気持ちが痛いほどわかります。一緒に頑張りませんか!

提供:スポマガGOLF


杉澤伸章プロフィール
愛知県蒲郡市出身。高校球児からプロゴルファーを目指し22歳のとき愛鷹シックスハンドレッドの研修生となる。プロへの道は早々に断念したが、同コース所属の横田真一に誘われプロキャディに。国内ツアーで様々なプロのキャディを経験した後、02年から丸山茂樹の専属キャディ。03年クライスラー・クラシック・オブ・グリーンズボロで丸山がツアー3勝目を挙げたときバッグを担いでいた。愛称『スギちゃん』

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