写真:田辺安啓
 5月のワコビア選手権から6月のバークレイズ・クラシックまでの6連戦は、ちょっぴり尻つぼみに終わった感がある丸山。

 原因は2つあった。1つはフェデックス・セントジュード・クラシックのときにできた足裏のマメ。最終日には杖がわりの棒を頼りに歩くほど悪化したそのマメは、せっかく乗り始めていた上昇気流を乱気流へ変えた。ワコビア選手権で26位タイに入り、EDSバイロン・ネルソン6位タイ、バンク・オブ・アメリカ・コロニアル25位タイと上位を続けていた丸山の成績は、フェデックスでは47位タイと一気に下降。「たかがマメ、されどマメ」だった。

 その翌週のメモリアル・トーナメントでは、ラウンド中に右肩に痛みが走り棄権。現場のカイロプラクターから「長引くものではないだろう」と診断されたが、結局、6連戦の最後を締め括るバークレイズまで右肩痛を引きずり、予選落ちとなった。「右肩は痛いのは痛いけど問題ない。ショットも悪くない。でも、グリーンに歯が立たなかった」。

 あくまで予選落ちの原因はパット――丸山らしい敗戦の弁だ。

 ところで、今年の全米オープンに丸山の姿がなかったのは淋しかった。16歳の少女ミッシェル・ウィーでさえ挑戦した地区予選に、なぜ丸山は挑まなかったのかと首を傾げる向きもある。しかし、メジャーを特別視しないという丸山の考え方は今に始まったわけではないし、不調続きだったから地区予選を受けなかったわけでもない。彼はレギュラーの試合での優勝を、第一目標に掲げ続けてきた。

 米ツアー参戦7年目の今、丸山の眼中にあるものは、メジャーに挑むことよりも、来季シード権を獲得すること。同時に、米ツアー4勝目を挙げること。「焦りはない」「勝ちたい」という言葉を、丸山は胸の中で繰り返している。



 ゴルフはメンタルなゲームだと言われるが、そのメンタル面の揺れが何によって起こるかは人それぞれだ。丸山茂樹の場合、すべての発端はパットであることが多い。どんなにグッドショットを連発していても、パットが悪かったときの丸山は「満足感が薄い」と言う。ラウンド中、「パットが入らない」と感じると、メンタル面が揺れ始め、その揺れがショットへ、ゲーム全体の流れへと影響していく。逆に、ショットが多少乱れても、順位が多少下がっても、パットが良かったときは弾けるような笑顔を見せる。そう考えると、丸山にとって、ゴルフはメンタルなゲームというより、むしろ「ゴルフはパットなゲーム」という表現のほうが当たっているのかもしれない。


文・舩越園子(ふなこし・そのこ) 在米ゴルフジャーナリスト
プロフィール
1963年生まれ。東京都出身。早稲田大学政経学部経済学科卒業。93年渡米以来、アメリカのゴルフに関する取材記事を日本の新聞、雑誌、インターネット等へ幅広く執筆中。現ニューヨーク在住。著書に「転身!デパガからゴルフジャーナリストへ」(文芸社)、訳書に「タイガー・ウッズの不可能を可能に変える5ステップドリル」(講談社)などがある。

提供:スポマガGOLF

INDEX


COPY LIGHT