写真:田辺安啓
 「今年はスロースタートになるかもしれない」と言った丸山茂樹の言葉が、そのまま現実化している。

 今季初戦となったソニー・オープンからビュイック招待、FBRオープンまでの3試合は、予選通過は果たしたものの順位は振るわず、次なるニッサン・オープンでは予選落ち。「僕は例年、1月2月は好成績がほとんどない。3月までに徐々に良くしていくしかない」と語った丸山の言葉には、マスターズに向けて「そうしたい」「そうしなきゃ」という祈るような気持ちが感じられた。

 ショットの調子は少しずつ上がりつつある。その背後には、努力家で研究家の丸山らしい工夫が隠されていた。アイアンのバウンスは、番手が下がるごとに度数が増えるのが普通だ。PWで8度前後。だが、丸山は全番手のバウンスを1種類の度数に統一してみたという。ソニー・オープンではすべてを10度に揃え、ビュイック招待からは8度に揃えた。

「僕はフェードヒッターだから、インパクトにかけてフェースをカット気味に入れてローテーションさせなきゃいけない。どうしたらローテーションさせやすいかということで、バウンスを揃えてみたんです」。

 丸山いわく、PGAツアー選手の中でもバウンスとフェースローテーションの関係に対する感じ方は十人十色なのだそうだ。「僕はターフが深い方なのでバウンスを多めにした。その効果は出ていると思う。全番手を同じ度数に揃えるのがいいのかどうかは、よくわからないけど、それじゃあ僕の場合、3番は何度にすべきなのかって考え始めると悩んじゃう。だから、とりあえずは1種類の度数で統一して試しています」。

 飛距離が大きなモノを言う現在のツアーで、パワーでは勝負に挑めない丸山は、アイアンやウェッジの精度を上げ、最後はパットで勝負するしかない。そのためにも、アイアンそのものに対する調整や工夫を続ける彼の努力が、近いうちに実を結ぶと信じたい。



丸山の米ツアー転戦生活を6年間、現地マネージャーとして傍で支え続けてきた山元崇範さんが、今年2月いっぱいで退職することになった。山元さんに代わり、新しく現地マネージャーとして丸山に同行することになったのは、村岡剛さんだ。前任者の山元さんは「タカさん」、アメリカ人からは「Taka」の名で親しまれていた。そこで、村岡さんのニックネームを尋ねてみたら、「ゴーです!」と郷ひろみの物真似。そんなヒョウキンさがある村岡さんなら、多忙な丸山のマネージャー職もきっと務まるはず。チーム・マルの新たな一員として、丸山をしっかりサポートしてあげてほしい。


文・舩越園子(ふなこし・そのこ) 在米ゴルフジャーナリスト
プロフィール
1963年生まれ。東京都出身。早稲田大学政経学部経済学科卒業。93年渡米以来、アメリカのゴルフに関する取材記事を日本の新聞、雑誌、インターネット等へ幅広く執筆中。現ニューヨーク在住。著書に「転身!デパガからゴルフジャーナリストへ」(文芸社)、訳書に「タイガー・ウッズの不可能を可能に変える5ステップドリル」(講談社)などがある。

提供:スポマガGOLF

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