写真:田辺安啓
 丸山茂樹の米ツアー7年目が始まった。キックオフ戦となったソニー・オープン・イン・ハワイでは、通算4オーバーで70位タイ。昨年の同大会で優勝争いを演じ、3位タイになったことを思えば、今年はちょっぴりスロースタートだった。

 しかし、それが不調を示すわけでは決してない。丸山のゴルフはパット次第。「パットがすべてです」と常々口にしている丸山は、パットが良ければショットも良くなり、パットが決まらないと流れに乗れないことが多い。今年のソニー・オープンは後者の展開。「相変わらずリズムに乗れない」「イマイチ、噛み合わない」を繰り返した丸山は、なかなかカップに沈んでくれない自らのパットに少なからず苛立ちを感じていた。

 それならば、パットは不調なのかと言うと、そういうわけでもなさそうだ。「パターは悪くないです。思ったところに(球が)出ていますから」。ハワイのグリーンはスピードが遅い。目のきついバミューダ芝だ。ラインに乗せ、「いい感じ」でカップに流し込むタイプの丸山は、こうしたスローグリーンをあまり好んでいないのだが、好き嫌いに関わらず、今年のワイアラエではグッドストロークをしても入らないことの連続。きちんとストロークができているのに入らないことが、余計にストレスになっていたのだろう。

 丸山は昨年の春から秋にかけて、パットの不調に陥った。だが、シーズン終盤は見事に復活。そのきっかけは、「ラインを深く読む」こと。長年、感覚的に行ってきたAPEX(最高到達地点)の取り方を、システマチックに深く取るようにしたら、パットはみるみる向上。それに合わせてショットも成績も向上。いかにも丸山らしい復活ぶりだった。

 そんな経緯を経て迎えた06年だからこそ、スロースタートであっても丸山には期待が持てる。昨年の復活劇を糧に、スローでも確かな歩みで米ツアー4勝目を目指してほしい。


 昨年末から、丸山茂樹が大好きだったタバコをやめたそうだ。「きっぱりやめましたよ。まぁ、やめたからどうってわけじゃないんだけどね」。丸山は03年にも年初から禁煙した。だが、あのときは3月ごろから喫煙が復活。以来、ずっと吸っていたのだが、今回、3年ぶりの禁煙となった。タバコが健康上、悪影響を及ぼすことは確か。吸わなくてすむのなら吸わないにこしたことはない。だが、スモーカーとして丸山に親しみを覚えていたゴルファーもいるといえばいるわけで、「えーっ? マルはタバコやめちゃったの?」と密かに淋しがる声も聞こえてくる。スターは何をやっても影響力が大きいということだろうか。


文・舩越園子(ふなこし・そのこ) 在米ゴルフジャーナリスト
プロフィール
1963年生まれ。東京都出身。早稲田大学政経学部経済学科卒業。93年渡米以来、アメリカのゴルフに関する取材記事を日本の新聞、雑誌、インターネット等へ幅広く執筆中。現ニューヨーク在住。著書に「転身!デパガからゴルフジャーナリストへ」(文芸社)、訳書に「タイガー・ウッズの不可能を可能に変える5ステップドリル」(講談社)などがある。

提供:スポマガGOLF

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